The Full Story
ゴムは天然資源であり、自然に自生した樹木の一種類であるが、人類の歴史と深い関わりを持っている。特に20世紀の自動車の普及に伴うゴム需要の急増は、ゴム生産の形態を大きく変えた。また合成ゴムの発明は戦争と深く結びついており、その点でもゴムは歴史との関わりをもっており、「世界史を変えた植物」の一つと言うこともできる興味深い植物である。
ゴムの歴史
ゴムの発見 by Joji Kawahigashi
ゴムの発見の通説は、コロンブスが2回目の新大陸航海の時(1493~1496)に、ハイチ島で原住民の子供たちが樹液から作った黒いボールで遊んでいるところを目撃し帰国後に報告したことと言われています。この時代では現地の人たちは、樹木から出る白い樹液をもとに水筒や容器などの簡単な器を作って使用していました。この後、200年余りはあまり利用価値がなく、おもちゃや防水布として使用されるのみでゴムの発展はまだ遠い未来の事でした。
Discovery of rubber
The myth of the discovery of rubber was that Columbus witnessed aboriginal children playing with black balls made from sap on Haiti during his second New World voyage (1493-1496) and reported after returning home. It is said that. In this era, local people used to make simple vessels such as water bottles and containers based on the white sap from trees After this, it was not very useful for more than 200 years, and it was only used as a toy and a tarpaulin, and the development of rubber was still in the distant future.
ゴムの加硫方法の発見
原料ゴムにカーボンなど補強材を混合し、さらに硫黄や助剤を加えて加硫すると強靭かつ弾力性を兼ね備えたゴム製品ができあがります。これを「加硫ゴム」と呼び、加硫前のゴムを「未加硫ゴム」と呼びます。
ゴムの加硫方法の発見が、現在に至るゴムの需要拡大につながる結果となりました。ゴムの加硫方法は、1839年にアメリカ人のチャールズ・グッドイヤーにより発見されました。発見の諸説はいろいろありますが、研究室で眠ってしまったグッドイヤーのゴム靴に実験で使用していた硫黄がこぼれてしまいました。これがストーブの熱により加熱されてしまい、翌朝目覚めるとゴム靴の弾力性が増大していることに気付きました。このような偶然で、硫黄により硬くなり弾力性を有する加硫ゴムが発見されたのです。更に4年後の1843年に、イギリス人のトーマス・ハンコックが加硫ゴムの本質がゴムと硫黄の化学結合の結果である事を発見し、様々な加硫方法を開発し加硫技術を確立しました。これにより、ゴムは工業用材料として需要が増加していき、ゴム工業が本格的に始まっていくのです。
Discovery of rubber vulcanization method
A rubber product that is both tough and elastic is completed by mixing a reinforcing
material such as carbon with the raw rubber and then vulcanizing it by adding sulfur and an auxiliary agent. This is called "vulcanized rubber", and the rubber before vulcanization is called "unvulcanized rubber". The discovery of a rubber vulcanization method has led to an increase in demand for rubber to this day. The rubber vulcanization method was discovered in 1839 by American Charles Goodyear. There are various theories of discovery, but the sulfur used in the experiment spilled on Goodyear's rubber shoes that fell asleep in the laboratory. This was heated by the heat of the stove, and when I woke up the next morning, I noticed that the elasticity of the rubber shoes increased. By such a coincidence, a vulcanized rubber that was hardened by sulfur and had elasticity was discovered. Four years later, in 1843, British Thomas Hancock discovered that the essence of vulcanized rubber was the result of a chemical bond between rubber and sulfur, developed various vulcanization methods, and established vulcanization technology. As a result, the demand for rubber as an industrial material will increase, and the rubber industry will begin in earnest.
ゴム工業の発展
当時ゴムは、南米アマゾン川流域のみでしか採取しておらず、希少な物である事から"黒い黄金"と呼ばれ価格が大高騰します。1876年、世界中に植民地を持っていたイギリスはゴムの苗木を移植し、東南アジア各地にてゴムの樹を栽培します。こうして、イギリスは長期間にわたり天然ゴムを独占し、生産地として東
南アジアが現在のシェアを誇るようになりました。
Development of rubber industry
At that time, rubber was collected only in the Amazon River basin in South America, and because it is a rare item, it is called "black gold" and its price soars. In 1876, Britain, which had colonies all over the world, transplanted rubber saplings and cultivated rubber trees throughout Southeast Asia. In this way, the United Kingdom monopolized natural rubber for a long period of time, and Southeast Asia now boasts the current market share as a production area.
天然ゴムの種子も盗んだイギリス
イギリス政府から中国のお茶の種を盗んだようにブラジルのゴムの木の種を手にいれるという密命を与えられたヘンリーウィッカムは、カヌーでアマゾン川をさかのぼり、多数のインディオを雇ってゴムの木の種を集めた。荷造りした種を船に積み込み、パラ港から出港するにはブラジルの役人の許可がいる。検査にやってきた役人に対して、ウィッカムはこの荷はイギリス国王が王立植物園に植えるため特別に注文したもので、急いで運ばないと枯れてしまうからすぐに出航したいと申し出た。同席したイギリス領事も役人を「閣下」と呼んで持ち上げると、役人は検査なしに出航することを認めた。
ウィッカムが「盗み出した」種子から育ったゴムの木は、東南アジアにもたらされ、瞬く間に広がった。英国領マレー半島は1895年にセランゴールで最初のゴム園が開設されたが、コーヒー農園が主であったのでゴム生産はすぐには増えなかった。しかし、タイヤの需要が生まれて、1910年にロンドンとニューヨークで史上最高値で取り引きされると、ゴム栽培に切り替える農園主が続出した。原生林も次々にゴムプランテーションに姿を変え、ブラジルを抜いて1922年には98%にあたる100万トン以上を占めた。つまり、マレー半島を植民地支配していたイギリスが世界の天然ゴムを独占していたのである。1929年からの世界恐慌はマレー半島のゴムに大きな打撃を与え、1941年からは日本軍の占領によって打撃を受けた(結局、2次世界大戦での大日本帝国軍が東南アジアを制覇したのが米英の戦争参加の原因だと僕は思う)が、第二次大戦後はマレーシアがイギリス領から独立でその重要な生産品として復活した。マレーシアは天然ゴムの生産の世界一位が続いたが、次第に工業化が進んで一次産品の比率が低下し、1990年からはタイが第一位となり、翌年にはインドネシアにも抜かれ現在では世界第三位となっている。
Mission
ゴムバンドに重りを付けて吊り下げます。
そしてゴムバンドに熱湯をかけたら重りは
持ち上がります。
ゴムでは、図のような網目鎖分子とその両端にある架橋点でネットワーク構造が形成されています。そこでゴムバンドに重りをつけて吊り下げると、ゴムは変形し、網目鎖分子の両端の距離も変化します。
鎖員は室温でも熱運動しており、元の形に戻ろうとする力が出てきます。そこで熱湯をかけると、熱運動が更に活発になるために、元の形に戻ろうとする力が増加する結果となり、重りが持ち上がるという訳です。
Vision
ここに同一材料で出来ているゴルフボール大のゴム玉が2個あります。その温度が、1つは20度C、もう1つは100度Cです。
どちらが弾むと思いますか?
ゴムは温度が低いほど、分子間の干渉が多くなり摩擦が大きくなります。
したがって、加えた力は熱エネルギーに変わり易くなります。その結果弾むためのエネルギーが少なくなり、反発弾性が低くなります。
一方温度が高いときは、分子間の干渉が少なく摩擦が小さくなり、加えた力は熱エネルギーに変わりにくくなるため、床に落としたボールはよく弾むことになるわけです。
防振ゴムの原理
(1)実験装置の製作
用意するもの:輪ゴム3本、輪ゴムが取り付けられる小銭入
次に輪ゴムの1本を小銭入れにつないでください。 小銭入れに10円玉か百円玉を20枚ほど入れて、お金が飛び出さない様にファスナーをしっかりしめてください。 そうして、残りの2本の輪ゴムと小銭入れにつけた輪ゴムとをつないで下さい。 これで実験装置の完成です。
(2)実験の手順
【手順1】
小銭入れをつるし、ゆっくり上下に動かします。
手で輪ゴムを持って、輪ゴム3本で小銭入れを支えてつるします。 そうして、ゆ~っくりと上下させてください。
※このときは、手の動きと小銭入れの動きが、ほとんど同じです。手から入った振動が、小銭入れにそのまま伝わっています。
【手順2】
だんだん手の動きを速くしていきます。
すると、ほんのちょっとした動きで、小銭入れを大きく動かすことが出来るようになり、共振が起こっている事がわかります。
※共振しているときは、手の動きよりも小銭入れの動きの方が、大きくなります。
(3)実験のまとめ
手の動きの大きさを1cmにして、小銭入れの動きの大きさと手の速さ(毎秒何回)をまとめてみました。防振領域で、はじめて手の動きよりも振動が小さくなります。
【手順3】
さらに手の動きを速くしていきます。
さらに手の動きを速くしていくと、こんどは小銭入れの動きが小さくなって、終いには手をかなり大きく動かしても小銭入れがほとんど動かなくなります